吹抜けの位置について考察されていました。マネしんぼなので、ちょっと考えてみました。
H20以前の過去問では、
H15:エントランスホール・吹抜けを設ける。
H16:エントランスホール・吹抜けを設ける。
H17:エントランスホール・40m2以上の吹抜けを設ける。
H18
H19:エントランスホール・30m2以上の吹抜けを設ける。
H20
と設ける位置が指定されていました。
試験内容見直し後は、
H21:
H22:エントランスホール・吹抜けを設け、吹抜け部分に展示部門のホワイエへの
主動線として階段を設ける。
という出題があり、パーツとかいわれる1コマに4×7m階段とEVをセットにしたのをあてはめるみたいなのだと難しくなるみたいな感じ。
更に、
H23:
H24:適切な場所にまとまったスペースで150m2以上の吹抜けを設け、豊かな空間と
なるように計画する。
H25:エントランスホール・1階と2階の空間の連続性を考慮した吹抜けを計画する。更に、
H23:
H24:適切な場所にまとまったスペースで150m2以上の吹抜けを設け、豊かな空間と
なるように計画する。
と吹抜けの空間的な意味を充たすような解答案を求められるような出題がありました。
(といっても大したことを求められたわけではありませんが)
今回は
H26:吹抜けを適切な場所にまとまったスペースで80m2以上設け、その吹抜け部分には
梁を設けない構造計画とする。
という設計条件です。
H24の適切な場所にというのは、「豊かな空間となるように」という目的が示されていたのですが、今回の課題文では、適切さの判断(目的の設定)を委ねられたかのような文言となっていました。試験中に考えるとハマるのかもですが・・
準備として考えておくのはありかもしれません。
適切にというのは、留意事項でバーゲンセールをしているんですが、
今回も、
建築計画については、
休憩・情報部門、店舗・料飲部門、温浴部門及び共用・管理部門を適切にゾーニングし、明快な動線計画とするとともに、避難等にも配慮する。
構造計画については、
構造種別、架構形式及びスパン割を適切に計画する。
部材の断面寸法を適切に計画する。
設備計画については、
空調設備、給排水衛生設備、電気設備、消火設備等を適切に設け、環境負荷低減に配慮する。
エレベーターを適切に設ける。
とてんこ盛り状態です。
とはいえ、お約束のところもあるのでそれなりの判断は下せそうなのですが、吹抜けの適切な場所の「適切さ」の判断基準は?
試験元から「おまかせ」といわれたようなもんだとしたら「え〜、おすすめはですねぇ」と返して顔色をうかがいたいところですが、相手にされなそうです^^;;;
おばかなことを言っていても仕方ないので、考えてみると・・
設計条件は、
吹抜けを適切な場所に(中略)設け、
です。どの部屋の上が適切なのかと考えると思いますが、何のために設ける吹抜けなのかの記載無しに適切な「場所に」と要求されているのが迷うところ。
資料集成に、
>吹抜けは上下階を視覚的につなぐ以外に、様々な意味合いを持っている。
吹抜け・アトリウムの意味(注:上下階を視覚的につなぐ以外に、です) |
もっとも昨年のアトリエのように天井高さが必要な空間の場合に二層吹抜けにするということもありますが、今回は天井高さが特に必要な部屋というのはなさそう。設備や構造で(負荷増大、経済性等で)不利になるのをわかった上で何らかの効果を求めていることを説明できないと苦しくなりそうな気がします。
H24の
・適切な場所(小ホールを除く。)にまとまったスペースで150m2以上の吹抜けを設け、
豊かな空間となるように計画する。
のような場合は、吹抜け面積が大きい(おそらく4コマ以上)のでを建物中央に計画すると動線的には空間を分断することになりハードルが上がる方向。ただ、今回は「80m2以上&梁を設けない」というビミョーな面積指定です。試験で一般的な7m×7mや7m×6mグリッドだとしたら2コマで条件はクリアできるので、そう困難なミッションにはならなさそうです。
今回のウツワイメージで、ありそうなパターンとしては、
吹抜けパターン |
Bパターン:北又は南の中央壁際・・4パターン
Cパターン:西又は東のコーナー・・8パターン
などが考えられそうなのですが、
1階と2階の空間をつなぐといっても、部門同士をつなぐというのと部門内の室同士をつなぐというのがあると思うので、適切なと思えるものを設定して、パターン出しでまとまりやすそうなものを探るしかないと思います。
「適切な場所に」という条件がなく単に吹抜けを設けるという条件なら、Cパターンがラクにまとまると思いますが。
沖縄県会場再試験のように要点等で
吹抜けを活かした室内空間とするために工夫したこと
と聞かれても、設ける目的が明快であれば工夫もしやすいので書きやすくなりそうです。
(空間の連続性を考慮した)吹抜けを活かした室内空間とするために・・縦動線の階段を設ける(はい、h22のパクリです)とか開放感のあるガラス手摺を採用することで、空間を見渡せるようにして視覚的な連続性を確保するようにしたとか。
(自然採光及び自然通風を積極的に取り入れるために設けた)吹抜けを活かした室内空間とするために・・間仕切をなるべく設けないオープンな室内空間として自然採光や自然通風を室内に取り込めるようにしたとか。
(開放的な空間とするために設けた)吹抜けを活かした室内空間とするために・・電動ルーバー付きトップライトを設けて(これもh24のパクリです)明るく豊かな空間となるようにしたとか。
もっとも、10月の試験では直接の記述は求められていなかったですし、合格率40%の試験なので考えることはやめてしまい時間のかかる面倒なことはスルー、泥仕合を生き残るという作戦もありだとは思います。
【追記】
沖縄県会場再試験では、10月試験にあった勾配屋根条件がなくなって、留意事項の
勾配屋根の形状を活かした室内空間となるように計画する。
という条件は消えていたんですが、もしかしたらここに
吹抜けの形状を活かした室内空間となるように計画する。
と書くつもりだったとか?試験テクニックで、要点で記述することを読んでからエスキースを始めるとは思いますが。要点の設問に何となく唐突の感があります。
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