2015年10月10日土曜日

適切に_02

「設計製図の試験」でお約束の留意事項にゾーニング・動線計画ということがあり、採点のポイントにもそのまま記載されています。
設計条件をタテ読みすると、
H26:・・部門及び共用・管理部門を適切にゾーニングし、明快な動線計画とするとともに、避難等に配慮する。
H25:・・部門及び共用・管理部門を適切にゾーニングし、明快な動線計画とするとともに、避難等に配慮する。
H24:・・部門及び共用・管理部門を適切にゾーニングし、明快な動線計画とするとともに、避難等に配慮する。
H23:施設利用者部門と管理部門を適切にゾーニングし、明快な動線計画とするとともに、避難等に配慮する。
H22:公開部門と非公開部門とを適切にゾーニングし、来館者動線、職員動線及び搬入経路が交差しないような計画とする。
H21:—

周辺環境やバリアフリー(セキュリティ等)が配慮するなのに対して、求められていることは、ゾーニングの適切さと動線計画の明快さです。ゴーインな解釈かもですが、配慮するだったらしょーもないことでもやっていれば、してないよりは配慮していると言えるかもなんですが、適切にとか明快なとかだと一定の基準を充たさないと認めてもらえないという違いがあるような気がします。
とはいえ特に難しいことを求められているとは思えないので、筋が通っているかとか整合性があるかとかいうことでまとめられているかどうかだけ。充たす水準は自分で決めることができるというか決めなければまとまらない。
どのように考えたのかが伝えやすいラクにまとまる案で要求図書(図面と記述)を仕上げ、適切さが示されていれば合格圏にとどく解答案なのだと思います。
おそらくですが、これができることが、試験元の言う建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」(が指しているものの結構大きな部分)という気がします。

空間構成だと抽象的なところもあるのですが、卑近な例で言えば、留意事項にある「とともに」を考えているかどうかみたいな感じ。
構造計画とかだとわかりやすいと思いますが、
建築物全体が、構造耐力上、安全であるように計画するとともに、経済性に配慮する。
という設計条件では、とにかく安全性をとことん追求、快適性(無窓オッケイ)や経済性(予算青天井)は二の次とかでシェルターみたいなものを計画して安全性をアピールしても条件を充たしているとは認めてもらえなさそう。無意識でもバランスは取れた解答案になると思います。
「試験」で「建築物を計画し、」のときに求められている「知識及び技能」というのは、そのバランスをどこで取るのかということがあるように思います。

昨年の沖縄県会場再試験は10月試験を訳した(?)問題文に書き換えられていたのではと思われるのですが、
設定した目標耐震性能に見合った構造種別、架構形式の記述を求められたり、
(ガス・燃油)ボイラーと(電動)ヒートポンプとの給湯方式の平面計画上の留意点を記載させた上でどちらを採用したかのかの記述を求められたり
という出題でした。
浴室の給湯設備は、熱源機器と貯湯槽からなる中央給湯方式とする。
という設計条件のときに、採用した熱源方式を聞かれて「ボイラー」や「中央給湯方式」というのでは、「与えられた内容及び条件を充たす計画をした」こととは言えないということにはならないのかもですが、聞かれたことに答えたとは言えなそう。操作性、施工性、省エネ性、・・選定基準を何においてもいいのだとは思いますが、そのこと(選定理由)に自覚的であるか(理由があるか)ということが必要そうです。

【omake】
連日の熱戦
兄弟≒ライバル^^;)
4年後は・・・

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