2014年7月9日水曜日

昼光率_3

過去問をみてみます。

【07021】全天空照度には,直射日光による照度は含まない.
これは定義。こういう決め方をしています。

【07022】普通教室の昼光率は,2%程度あればよい.
設計用全天空照度を普通の日の15,000 lxとすると、昼光率2%で机上水平面照度は300 lx。
暗ければ照明を点ければいいわけで、まあ妥当なところ。
ちなみに解説の、
住宅の居間,食堂,ホテルのロビー等では0.7% → 約100 lx
病室一般等は1.5% → 約225 lx
になります。

【07023】同一室内であっても,昼光率は,場所によって異なる値を示す.
室内への昼光は、開口部から入ってくるわけですが窓際と窓から離れたところでは当然入射する昼光の照度は違うので、昼光率も異なります。

07024昼光率は,天空輝度の時間的変化に応じて,絶えず変化する
室内へ入射する昼光(室内におけるある点の水平面照度(E))は、天空輝度によって変化しますが、天空の輝度分布が一様だとすれば、その入射する割合(昼光)は一定です。

【07025】片側採光の部屋における照度の均斉度は,1/10以上とすることが望ましい.
これは、そういうものなんだと暗記するしかない。

も一個見てみます。

【10041】昼光率は,窓の材料によって異なる.
開口部から室内に入射する光は、窓の材料が変われば変化しますから、
室内におけるある点の水平面照度(E)も変わり昼光率も異なる値になります。

【10042】昼光率は,室内表面の反射率によって異なる.
開口部から室内に入射する光は、直接昼光率を測定する室内におけるある点に到達するものだけではなく、室内表面で反射するものも含まれますから、室内表面の反射率が変われば、室内におけるある点の水平面照度(E)も異なる値になるので昼光率も変わります。

【10043】昼光率は,窓の前の建築物や樹木の状態によって異なる.
開口部から室内に入射する光は、その前に建築物や樹木があればその影響を受けるので、
室内におけるある点の水平面照度(E)も異なる値になり昼光率も変わります。

【10044】昼光率は,天空の相対的な輝度分布によって異なる.
Web講義には、
この部分を理解できない受験生の方は非常に多いのですが
と書かれていますが・・・
H7の問題(【07024】とか)では、解説にも
天空を等輝度完全拡散面(天空の輝度分布が一様)として考えた場合,天空輝度の時間的変化に応じて,室内におけるある点の昼光照度は同じ割合で変化するため,昼光率は常に一定となる..
と書かれています。なので、素直な人は混乱するはず。

実は、標準天空といわれるものにはいくつかの種類があります。
単純なのは、H7年問題のような一様天空。全天空の輝度を一様としたもので、昼光照明の計算も容易にできます。
が、これではあまりにも実態とかけ離れてしまうので
CIE(国際照明学会)がいくつか標準天空というものを推奨しています。
CIE標準曇天空(1955年):天空全体が厚い雲に覆われ、太陽の位置が不明であるような曇天
この場合は、天空の高度で天頂輝度に対する相対値の分布を表します。(天頂ほど明るい)
天空の輝度分布例(絶対値換算、太陽高度:50°)
(ココまで均等なことはあり得ない…^^;
CIE標準晴天空(1973年):雲のない快晴の天空の輝度分布
この場合は、太陽高度、天空の高度により天頂輝度に対する相対値の分布を表します。(測定すれば、そーなんだろうけれど・・複雑な分布でわけがわからなくなってきそう)
天空の輝度分布例(絶対値換算、太陽高度:50°)
(快晴の日というのがそれ程ない上に、複雑過ぎて余り実用的ではない^^;;;)
多少はマシになっています。
とはいえ、現実には標準天空に近似した天空輝度分布が出現する確率はごくわずかのもの。
そこで、実際に現れる天空の輝度分布に近いモデルで昼光利用の有効性を高めようということで、年間に出現する全ての天空を連続測定して平均天空というものを仮定したり、晴天空と曇天空の中間の天空をモデル化し、その出現頻度で重み付けしたものなどが提案されています。
天空の輝度分布例(絶対値換算、太陽高度:50°)
ということがわかっていると、
【10044】の解説の
理論上は,天空輝度は,一様なもの(等輝度完全拡散面)として考えるが,実際は,一様ではなく,天空の各部分で異なる値を示す.例えば,正午頃の天空を考えた場合,太陽のある天頂部は明るく輝度は高くなるが,水平線に近い部分は天頂部に比べて暗く,輝度は低くなる.問題文にある「相対的な輝度分布」とは,そういった天頂部の明るい部分と,暗い部分との分布状況のことを意味する
というのが何を言っているのか了解できると思います。
 H7年問題で、ムリクリ
全天空照度は,天空輝度による照度であり,天空を等輝度完全拡散面(天空の輝度分布が一様)として
と思い込んだのが、そんなことしなくてフツーに感覚でイメージすればいいということです。
ゆえに,天空の相対的な輝度分布によって室内への採光量は変化することなり,
という解説に、あんだって(♯`∧´)とかキレてもいいことはないので、フーン大人の事情があるんだろうなくらいで余裕かませましょう。(実際の計算とかは専門家におまかせです)

10045 昼光率は,全天空照度によって異なる.
これは定番問題。昼光率の定義(室内のある点の照度の全天空照度に対する比)がわかっていれば、全天空照度が変化しても,それに比例して室内採光照度も変化するため,昼光率は常に一定になるとわかります。

以上の経緯が整理できていると、

【16041】昼光率は,直接昼光率(窓面から直接,受照点に入射する光による昼光率)と間接昼光率(室内の仕上げ面等に反射してから受照点に入射する光による昼光率)との和で表す.
昼光率の「室内のある点における水平面照度」は(直接昼光率)+(間接昼光率)です。
(これは定義)

【16042】昼光率は,天空が等輝度完全拡散面であれば,全天空照度にかかわらず,室内の同一受照点において一定の値となる.
天空が「(非現実的な)平均天空」になる場合のときのことを聞かれているので、現実離れしてるかもですがフツーの感覚で答えると間違えてしまいます。

16043昼光率は,窓外に見える建築物や樹木の有無にかかわらず,一定の値となる.
→【10043の類似問題

【16044】昼光率は,一般に,受照点に対する窓面の立体角投射率により異なる値となる.
これは、問題文に(天空が等輝度完全拡散面とかの)条件が書かれていないので、フツーに感覚で現実的な天空をイメージすればよい問題。
受照点に対する窓面の立体角投射率
というのは、ようは窓の向きとか位置とかいうことです。

【16045】昼光率は,一般に,窓ガラスの透過率・保守率・窓面積有効率により異なる値となる.
→【10041の類似問題


21071昼光率は,天空光による照度と直射日光による照度から計算する.
これは定義がわかっているかどうか。

【21072】昼光率は,窓と受照点の位置関係だけでなく窓外の建築物や樹木等の影響を考慮して計算する.
→【10043】【16043】の類似問題

【21073】昼光率は,室内表面の反射率を考慮して計算する.
→【10042】の類似問題

【21074】学校の普通教室の昼光率は,2%程度あればよい.
→【07022】の類似問題

手を変え品を変え出題されてきた昼光率問題も出尽くした感があって、過去問のオンパレードです。
踏み込んだ問題にすると、いきなり難しくなるので多分出ません。
なので、
【25073】昼光率は,天空の輝度分布が一様であれば、全天空照度の影響を受けない
→【16042の類似問題
のような問題は落としたくないところかも。

【追記】
2003年にまとめられた「CIE標準一般天空」(CIE S 011/E)の規格はこんな感じらしいです。(見てないですが)
(→http://www.ciejapan.or.jp/?p=198#more-198)有料です(-_-;)
天空の輝度分布例(絶対値換算、太陽高度:50°)

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