2015年1月20日火曜日

合格水準(建築計画の概要02)

KKの報道発表資料(センター発表のものと同じ)にある通り、
「設計製図の試験」というのは、
です。
前にも書きましたが、二級建築士試験でも木造建築士試験でも

と、(合格基準が合格判定基準となっているだけで)コピペでつくられています。これは標準解答例が公表されるようになって以来10年以上変わっていないようなので、「掟」とか「法度」みたいなもの。
要求図書には何を記載(計画)してもいいと思いますが、「与えられた内容及び条件(要は課題文条件です)を充たす計画」でないと、掟破りとか御法度ということで合格判定からは遠くなりそうです。・・・本当ですか?

その「与えられた内容及び条件」には、計画に当っての留意事項
建築計画については、次の点に留意して計画する。
という設計条件が明記されています。
設計課題は当然毎年違うのですが、「与えられた内容及び条件」にも
設計課題によらず、変わらず求められること

今回の設計課題において特に求められていること
とがあると思います。

タテ読みすると
H26
1. 敷地の周辺環境に配慮する。
2. 建築物はバリアフリー、セキュリティ等に配慮する。
3. 休憩・情報部門、店舗・料飲部門、温浴部門及び共用・管理部門を適切にゾーニング
  し、明快な動線計画とするとともに、避難等に配慮する。
4. 24時間利用可能なエリアとそれ以外のエリアを明確にゾーニングし、夜間利用に
  配慮する。
5. 勾配屋根の形状を活かした室内空間となるように計画する。
6. 自然採光及び自然通風を積極的に取り入れる計画とするとともに、日射の遮蔽にも
  配慮する。

H25
1. 建築物はバリアフリー、セキュリティ等に配慮する。
2. 研修部門、宿泊部門及び共用・管理部門を適切にゾーニングし、明快な動線計画と
  するとともに、避難等に配慮する。
3. 勾配屋根の形状を活かした室内空間となるように計画する。
4. 敷地の周辺環境に配慮する。

H24
1. 建築物はバリアフリー、セキュリティ等に配慮する。
2. 図書館部門、集会部門及び共用・管理部門を適切にゾーニングし、明快な動線計画と
  するとともに、避難等に配慮する。
3. 敷地の周辺環境に配慮する。

H23
1. 建築物はバリアフリー、セキュリティ等に配慮する。
2. 施設利用者部門と管理部門とを適切にゾーニングし、明快な動線計画とすると
  ともに、避難等に配慮する。
3. 食堂,食堂・デイルーム、レクリェーションルーム等の共用部については、自然光を
  積極的に取り入れる計画とする。
4. 敷地の周辺環境に配慮する。

H22
1. 敷地の周辺環境に配慮する。
2. 公開部門と非公開部門とを適切にゾーニングし、来館者動線、職員動線及び搬入経路
  が交差しないような計画とする。
3. バリアフリーに配慮する。

H21
1. 建築物はバリアフリー,セキュリティ等に配慮し、貸事務室については収益性、
  快適性、フレキシビリティ等に配慮する。
2. 建築物の環境負荷低減に配慮する。
3. 敷地の周辺環境に配慮する。

となります。
敷地の周辺環境に配慮
バリアフリー、セキュリティ等に配慮
ゾーニングと明快な動線計画(含避難)
といったことが、この試験で設計課題によらず、変わらず求められること、のようです。
(常識の範疇かもですが)ガッコや添削で指導されやすい(しやすい)ことだと思います。

一方赤字今回の設計課題において特に求められていることと考えることができそうです。
今回の課題では、プランニングの自由度が高いからなのか、例年に比べて条件が多かったのですが、一時間ちょっとのエスキースで条件を盛り込むとなると引出しがあるかどうかのところもありそう。構造や設備も具体的な記述を求められるようになっている様に感じるので、ある程度の実務的能力“も”求められるようになっているのかもしれません。
まあ、建築士というのは実務上の資格なので、セオリーやマニュアルを暗記して準備すればいいなんてことでは対応できなくなるのはいいことなのか。

【追記】
ネットの広告ページに
定石を当てにしても通用しない事態が起こる。(日本サッカー協会最高顧問)
なんてでてきた。
ん〜、深い…^^;

2 件のコメント:

  1. なるほどー(゚o゚;;
    毎年お題が違うから
    それによって それぞれの年で
    「求められていること」が違うのでは、
    という意見には納得です^^;

    しかしユープラを見ていると
    「いつも求められていること」を
    考慮していなくても
    「その年に求められていること」を
    考慮していれば合格出来るのかな
    なんて思いました( ̄◇ ̄;)

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    1. こんにちは。
      今年の「設計製図の試験」は、
      9,362案中の3,793案が合格案です。
      (ユープラではそのうちの51案(1.3%くらい)が見られます)
      このなかには、ペンギンさんが配信されている
      〜こんなミスがあっても合格できた事例〜
      もあると思いますが、
      これらを全部(複数)やったら合格案?

      それは

      試験元にしか

      わかりません。。。

      目指すのは
      ミス(条件違反)の少ない案だと思うので
      簡単にまとまる案でラクしてまとめる
      という戦略もあると思います。

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