2015年7月18日土曜日

適切なゾーニング

H21年に一級建築士試験設計製図の試験内容は見直されたのですが、試験そのものは
「設計製図の試験」は、「与えられた内容及び条件を充たす建築物を計画し、設計する知識及び技能について設計図書等の作成を求めて行う。」
ものであることに変りはありません。
その与えられる「内容及び条件」に
部門を適切にゾーニングし、明解な動線計画とするとともに、避難等に配慮する(or 各部門の動線に配慮した計画とする)
というものがあることも変わっていません。
で、今回のウラ模試を見てみると、
生涯学習部門に『図書作業室』が要求されています。
使用するのは施設の人(管理者)ですが、施設管理(管理事務室)と別なのか兼務するのかは不明。実例としてはどちらもあると思います。

「設計製図の試験」は「与えられた内容及び条件を充たす建築物を計画し、」というものですが、過去問を見るとH15に同様の出題があります。
H15「保育所のある複合施設」
『図書作業室』は情報センター部門の所要室として要求されています。さらに、施設全体の管理をおこなう『管理事務室』も情報センター部門の所要室として要求されていました。
標準解答例は、
図書室と行き来できるようレイアウトしています
管理事務室との行き来は共用部を介しますが部門のククリは成立しています 
管理ローカで通用口まで行けますが、
管理事務室へは管理ローカからエントランスホール(共用部)を介した動線になります
おそらくですが、異なる2案のゾーニングで共通している部分
『図書作業室』⇔『図書室』
は守るべきこと。
図書作業』⇔『管理事務室』や図書作業』⇔『通用口(サービスP)』は部門としてのククリができているかどうかが守るべきこと。
利用者が迷うような動線計画はありえないと思いますが、管理事務室と図書作業室が(共用部を介さず)管理ローカで直接行き来できるかどうかはマスト条件(「与えられた内容及び条件」)とは言えなさそう、計画として成立していればどちらもアリだと思います。

これが、H24のような設計条件
共用・管理部門として要求された『準備室』
あれば、
『作業室』『事務室』『通用口』がウラ動線でつながっています
2階『作業室』
1階『事務室』『通用口』
と、ウラ動線でククルのがマスト。
「設計製図の試験」では、同じ名称の要求室でも「与えられた内容及び条件」=(課題文)によって、「充たす」べき条件は違いそうです。

2 件のコメント:

  1. そうなんですよね。。。^^;
    管理の人間が使用する室はウラ動線で全部繋げたくなりますが
    そうすると プランが難しくなることもあります
    そういうところに悩んで エスキースに時間がかかり1/400をおざなりにして作図に突入。。。する前に、「割りきってもいい所」を問題文から読み取らないといけません^^;

    受験仲間からのアドバイスで「通用口」や「職員控室」が「その室」と同じ部門かどうか、も管理ゾーン内にくくるべきかどうかの判断材料になる、というのもありました

    沖縄試験でも、物販の「仕分け室」は「店舗・料飲部門」であり管理と離しても問題はなかった訳なんですね。。。(T_T) つくづく、問題文の読み取りは大事ですね。。。

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    1. こんにちは。
      「設計製図の試験」なので、
      「与えられた条件を充たす計画し、」
      なのかどうかが採点基準のハズ。
      「割切る」というより
      ハードルを上げないということなんだと思います。
      (その上でミスを減らす←コレ重要、試験の鉄則です)
      「吹抜けを使って心地よい空間にしてやろう!」
      が癖になってないといいですが…^^;
      ガンバレ( ^ ^ )/□

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