2013年7月22日月曜日

プルキンエ現象

katuzoさんのブログに、
夜 暗くなって、紅潮した赤い顔が、やばい感じになって、青ざめたプルキンエ現象顔
と書かれていたのを読んでふと思ったこと。

学科試験でも出題されたことがあると思っていたプルキンエ現象ですが、検索してみると引っかからない。
「プルキンエ現象」で検索すると、
08074 薄暗くなると日中に比べて,赤色が他の色よりも,相対的に明るく鮮やかに見える.

05074 暗いところでは,同じ明度の色でも,赤よりも青のほうが明るく見える.

17045 明所視において同じ比視感度である青と赤であっても,暗所視においては,青より赤のほうが明るく見える.

いずれも、解説にプルキンエ現象と書かれていますが、問題文には出てきていない…^^;
はて?
いろいろ調べているうちに「明所視」「暗所視」がポイントなのか?と気付く。

22092 ある面からの放射エネルギーが同じ場合,人の目(明所視)には,赤色よりも緑色のほうが強く感じられる.

07064 放射エネルギーが同じ場合,人の目(明所視)には,赤色よりも緑色のほうが強く感じられる.

人間の視覚は、
明所視では網膜の(3種類の光受容体がある)錐体細胞のはたらきにより色覚が可能であり、暗所視では(光受容体が1種類の)桿体細胞のみによって生じるため、ものの形はわかっても色覚は生じない(錐体細胞は光量が小さい場合にはほとんど機能しない
ということのよう。
メカニズムはいいとして、「明所視」と「暗所視」の基準ってどのくらいなのだろうと思って調べるがはっきり書かれているものが見つからない。
ウィキには(英語版しか読めないのでよくわかりませんがどうも翻訳のようです)
>暗所視は、輝度が10-2から 10-6 cd/m2のあいだで生じる。
と書かれている。
ずいぶん暗い。かなり乱暴で大雑把なたとえになりますが、蝋燭1本分の光度 ≒ 1cdで近似すると、
蝋燭1本を10m〜1000mのところに置いたくらいの明るさ。イメージとしては月の出ていない星空くらいか。確かに物影は見えても色はわからない。

実は、明所視と暗所視の間には薄明視というものがあって、
薄明視(はくめいし)とは、明所視と暗所視の組み合わせであり、光量が少ないが完全な暗黒ではない状況で用いられる。
目の桿体細胞のはたらきにより青色に近い波長域で視感度が高くなり、錐体細胞のはたらきにより色覚が可能になる。このため、暗がりでは花などの青みがかった色が鮮明に見えるようになる。
人間の目は0.034 cd/m2以下では完全に暗所視を用い、3.4 cd/m2以上では完全に明所視を用いている。

何となくナットク。過去問を見てみると、
明所視:明るいところでは赤色よりも緑色の方が強く感じる(07064、22092)
薄明視:暗くなると同じ明るさの赤よりも青のほうが明るく見える(08074、05074)
は人間の視覚特性なのでいいとして、
17045では問題文に暗所視と書かれているので、最も不適当な記述であることには間違いは無いのですが、
「青より赤の方が明るく見える」
のではなく、色はよくわからないというのが正しいのではないだろうか。
(本当のところはわかりません。センターに照会してもたぶん返答は無いと思う)

【追記】
 JISでは、明所視は輝度が約3cd/㎡程度以上、暗所視は約0.03cd/㎡程度以下と定めているよ
うです。

【追記2】
合格物語の解説にケチを付けるわけではないのですが m(_ _)m
建築設計資料集成(コンパクト版 p.031)から。
視覚の順応
人間の知覚できる波長帯は概ね3.8μm〜7.8μmである.この波長帯の光を可視光線と呼ぶ.可視光線の波長帯においても,人間が感じる明るさは波長により異なり,その相対値を比視感度と言う.比視感度は,網膜にある錐状体と杆状体の2種類の視細胞で異なる.錐状体は明所視のときに働き,一方,杆状体は暗所視のときに働く.ただし,杆状体は色を感じることができない.明所視と暗所視の間である薄明視のときは,錐状体・杆状体とも働く.
明順応は1分程度だが,暗順応は30分程度を必要とする.明所視から薄明視になると,赤色が暗く見え,青色が鮮やかに見えるようになる(プルキンエ現象).

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