空調(空気調和)というのは、
【10191】
建築基準法においては,中央管理方式の空気調和設備に関して,浮遊粉じん量・CO含有率・CO2含有率・温度・相対湿度・気流の基準を定めている.
【12184】ビル管理法では,浮遊粉じん量・一酸化炭素含有率・二酸化炭素含有率・温度・相対湿度・気流・ホルムアルデヒドの量についての基準が定められている.
とあるように、空気の清浄度を保つために新鮮外気の導入(換気)を行います。
その意味では、通常のエアコンというのは室内空気を循環させているだけの単なる冷暖房機器で空調機とは言えないのかも。
ただ、新鮮外気の導入というのは負荷が大きいので、室内を設計温湿度にするためには、いろいろと計算が大変そうです・・本当ですか?
そこで
【13138】湿り空気線図(又は空気線図)は,温度,湿度,比エンタルピー等の空気の状態を表したもので,空調の負荷計算や空気の状態変化の解析に用いられる.
【17182】湿り空気線図(又は空気線図)は,温度,湿度,比エンタルピー等の空気の状態を表したもので,空調の負荷計算や空気の状態変化の解析に用いられる.
とあるように、
湿り空気線図でを使って解析なんてことをするようです。
たとえば、
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湿り空気h-x線図 |
冷房時の設計温湿度:26℃、45%(RH:relative humidity 相対湿度)とか、
25.5℃〜26.5℃、45%〜50%(RH)のようなときに、外部からの日射負荷や貫流負荷、内部の人体負荷や機器の負荷等によって、室内の温湿度が上がっていきます。
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冷房時は、負荷によって温室度が上がる(赤◯) |
このあげられた温湿度(顕熱+潜熱)を設計温湿度に戻すためには、加えられた熱量(顕熱+潜熱)を除去すれば、室内環境が一定に保たれることになります。
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加えられた熱(顕熱)=取除く熱(顕熱)、加えられた熱(潜熱)=取除く熱(潜熱) |
負荷は変動するものですし、機器の制御もそう計算通りにはいかないのだと思いますが、
顕熱比(SHF)を上記矢印の勾配にできれば効率の良い空調ということになります。
◯◯女ママが書かれていたようなサーバ室の場合は、(人がいない場合)室内で発生する機器からの発熱は顕熱だけです。
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設計温度22℃〜24℃、湿度35%〜50% |
温湿度は、機器からの発熱(顕熱)のみなので右に移動しますが、顕熱のみなので、絶対湿度は変わりません(相対湿度は下がります)
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加えられた熱(顕熱)=取除く熱(顕熱) |
温湿度を一定に保つためには、顕熱だけを取除けばいいので、顕熱比の高い機器で計画すると効率が良くなります。
通常の空調機は、顕熱と潜熱を取除く設計なのですが、サーバルーム用の機器では顕熱比0.99(潜熱はほとんど取除かないように作動)とかの設計になっています。
【追記】
サーバ室というのは、通常年間24時間冷房という運転になり暖房期間のない運転、
また機器負荷の割合が大きいため、APF を算定しても意味をなしません。