学習研究社H.P. より転載 |
アイデアいただきで、計算しやすいように厚10mm、幅190mmの鋼板を加工して
というものを考え、
それぞれの断面の諸量を算出してみると、
断面二次モーメント、断面二次半径は最小値となるもの |
円筒形の断面二次半径が一番大きくなり(細長比は一番小さくなり)ます。
話を拡張して、同一の断面積(鋼材量が同じ)となるよう板厚を半分(5mm)にし直径126mmの円筒にすると、断面二次半径は4.28cm、
板厚を2mmにして直径304.5mmの円筒にすると、断面二次半径は10.69cm、
板厚を・・・・・・
超合金になる・・・わけない^^;;; |
この、細長比が小さくなっていき、材料強度まで座屈を起こさないようになるときの細長比が限界細長比、ここを越える(断面二次半径が大きくなる、限界細長比以下になる)と、圧縮座屈をしなくても非弾性変形することになります。
(基準法というか学会の設計規準では安全率を見るので“ズレ”がありますが)
実際の計算では、圧縮材の細長比が限界細長比Λ、
Λ=1500/√(F/1.5)
より大きいか限界細長比以下なのかで許容圧縮応力度を計算することになっていて、
SN400(基準強度235N/mm^2)で計算すると限界細長比は119.8くらい、
SN490(基準強度325N/mm^2)で計算すると限界細長比は101.9くらい
になります。
(いろいろ書いておいてなんですが、【24152】とか【27163】の「試験」問題は暗記でも乗り切れます^^;;;)
で、断面二次半径って何なんやん?ですが、
材軸からの離れている度合い(イメージ的には断面の半径、断面二次モーメントから導出するので二次半径・・・)みたいな感じか、と。
直感的に、断面二次半径が大きい(断面の部分が材軸から離れている)ほうが座屈しなさそうというのは納得できそうです。
最初の話に戻ると、
外径から9mmの部分の内側に3mmの部分が加わって12mmになるときは、内側に増えた部分は元の外側の部分より座屈しないようにする効果が少ない(圧縮応力度は小さい)だろうな、と。(断面二次半径は小さくなるので細長比が大きくなる)
なので、(出ないとは思いますが)鋼材の断面性能表を無理くり探せば、
なんてことも。
D120(t28)の鋼管よりD110(t12)の鋼管の方が(断面二次半径は大きいので)細長比は小さくなり許容圧縮応力度は大きくなりますよ、と。(合格物語の解説風にいえば座屈しにくくなる)見た目は細いけれどな😧