計画の要点等に、
エントランスホールの計画において、(略)吹抜けを活かした空間構成について考慮したこと。
という設問がありました。
H26沖縄試験の
吹抜けを活かした室内空間とするために工夫したこと。
と似ているような違うような・・・
H26沖縄の設計条件は、
・吹抜けを適切な場所にまとまったスペースで80m2以上設け、(略)
H27の設計条件は、
・まとまったスペースの吹抜け(約100m2)を設けるとともに、自然採光を確保する。
です。
どちらの課題でも吹抜けを活かした空間構成とする計画が求められているのだと思いますが、この吹抜けを設けた空間構成(室内空間)にすることは試験元の指定です。
そのときに、H26沖縄試験では「適切な場所に」とされているだけで、書き漏れなのか、わざと隠しているのか、どのようなことに対しての「適切さ」なのかがはっきりとは書かれていません。とはいえ、これは「設計する知識及び技能」の有無(正確には不足していないかか?)を判定するための「試験」課題。資料集成にあるような意味合いとかを、それっぽく書いておけばいいのだと思います。
一方、今回は「設けるとともに、自然採光を確保する」と、この「試験」特有の言い回し。
聞かれているのは、
>吹抜けをどう活かして空間を構成したのか、
ということなので、
>吹抜けを活かした 床と壁と天井の構成をどのように考えてプランしたのか、
といった難しいことを考えてもいいとも思いますが、豊かな空間となるように計画する(H24)ことを求められているのでもなければ、1階と2階の連続性を考慮する(H25)よう求められてもないですし、吹抜けのある室内空間において、(各自で想定した?)吹抜けの意味合いを活かすために工夫すること(H26沖縄試験)も求められていません。
そのように計画してもダメではないと思いますが、具体的に明示されている「自然採光を確保する」という設計条件を充たしておけば問題ないと思います。
さらに、今回の計画の要点等の記述で聞かれているのは、吹抜けを設けた空間において、吹抜けの意味合いを活かすために考慮したことなので、昨年の「室内空間(空間構成)とするために工夫したこと」とはちょっと違う感じ。どのようなことを意図した計画で、吹抜けのある空間構成を活かしているのかが記述されていればいいのだと思います。
採点をどのようにするかはわかりませんが、感覚的には吹抜けを設けるビフォーアフターで「まあ、なんということでしょう!」となっている感があればいいような気がします・・・本当ですか?
北側に吹抜けを設ける空間構成で、自然採光を確保することを考慮すると
「まあ、なんということでしょう」の「劇的感」があるかも |
イカした感じがありそうです。
南側に吹抜けを設ける空間構成では、奥行のあるエントランスホールの奥(北側)まで自然採光を得られそうです。(参考:学科計画【21162】【20101】【12114】)
「まあ、なんということでしょう」感はありそうですが、配慮も必要なのかも |
また、自然採光を確保するためには,トップライトを設ける方法もあります。この明るい空間に吹抜けを設けることで開放的にしている案は標準解答例にも多いのですが(H24、H22)、役割的には明るくするためにトップライト、開放的にするために吹抜けを設けている感じ。
明るい空間が開放的に |
聞かれているのは「吹抜けを活かした空間構成について考慮したこと」なので、解答の仕方によってはビミョーな感じがでてしまうかもしれません。
これらとは別に、エントランスホールに吹抜けを設ける空間構成に、自然採光を確保するという設計条件とは別の意味合いを持たせることもできるので、吹抜けの一般的な意味合いである上下階を視覚的につなぐということから、2階との連続性を考慮するということもできそうです。
エントランスホールとデイ部門の連続性はありますが・・・ |