合格物語/ユープラ2012/   過去ログ

2014年4月8日火曜日

合格水準_20

試験元がいう
与えられた内容及び条件を充たす建築物を計画し、設計する知識及び技能について設計図書等の作成を求めて行う。」試験において
空間構成の「知識及び技能」として求められているものは何なのか?

今回の課題で課題文に明記されていた空間構成の条件は、

計画に当たっての留意事項に記載されている、
・建築物はバリアフリー、セキュリティ等に配慮する。
・研修部門、宿泊部門及び共用・管理部門を適切にゾーニングし、明快な動線計画
 とするとともに、避難等に配慮する。
・勾配屋根の形状を活かした室内空間となるように計画する。

要求室の特記事項にある
エントランスホール:・1階と2階の空間の連続性を考慮した吹抜けを計画する。
          ・周囲の自然景観を取り入れ、明るく開放的な空間とし、
           コミュニケーションの場やラウンジとしても利用する。
食堂:・明るく開放的な空間とし、屋外テラスと一体的に利用できるようにする。
くらいです。

建築士を志す者に対して、習得すべき知識及び技能(一級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。)の目安を示す資料」として提示される、試験委員会が作成した標準解答例や

合格案と判定された解答案も
与えられた内容及び条件を充たす建築物の計画」となっているはず。
採点のポイントでは、
(1)空間構成
  ①建築物の配置計画
  ②ゾーニング・動線計画
  ③要求室等の計画
  ④建築物の立体構成等
が「採点のポイント」とされていますが、与えられた内容及び条件採点の土俵に載ったと思われる合格案から検証してみると、
配置計画では、食堂と一体的に利用できる屋外テラスが北なのか南なのかという話もありましたが、とりあえず食堂に隣接して必要面積(80㎡)が確保されていればオッケイの様です。
ゾーニングは、大半の方が計画したように宿泊部門を2階にしてしまえば問題無し。
アトリエ等を2階に計画する場合は、宿泊者以外の人が宿泊部門に入りにくいように扉をつけるなりパーティションスタンドが立てられるようになっている(図面乃至要点に明記、計画したことが伝わらないと意味がありません)くらいでもいいのだと思います。
(参考:http://blog.livedoor.jp/ura410/archives/53084460.html#more
動線はククリ(ゾーニング)ができていれば自動的に成立します。
要求室等の計画は成立すればオッケイくらいの感じ。要求されているものが入るか入らないかです。プランの良し悪しや室形状もいいにこしたことはないと思いますが、まずは要求が成立しない面積等にしないこと。計画の良し悪しでの減点はほとんどなさそうです。

宿泊室の向きも西向きは避けたいところですが、まずは明記されている条件を充たすことが優先。南にも西にも向けられるときにわざわざ西向きを選択するプランニングはどうかと思いますが、西向きだと与えられた内容及び条件を絶対に充たしたとは言えないということはなさそうです。
立体構成は、計画した案を図面に描き表せるかどうか。図面相互や計画の要点等との不整合があって、どう考えているのかが伝えられないのでは厳しいと思います。

犠牲系を意識したのかどうかわかりませんが、

エントランスホールの特記事項にあった、
・周囲の自然景観を取り入れ、明るく開放的な空間とし、
という条件では、エントランスホールに開口部(窓)を計画するのが妥当な解決案だと思いますが、こんな計画案もありました。
エントランスホール以外の部分はガウスをかけています 
どちらも合格案です
風除室の上部が吹抜けで南面がサッシになっていますが、エントランスホールに立ってだと空しか見えなさそう。
ですが、
風除室も開口部といえば開口部なので自然景観を取り込んでいるといえなくもない?
もしくは空が見えれば景観を取り込んでいると言える?
「知識及び技能」が不足するとは判定されていません。

与えられた「内容及び条件」というのは課題の設計条件に書かれていることを読み取ってありきたりのもの(建築(所要室等)、構造、設備)で対応できるだけの知識及び技能というくらいのことなんだと思います。

明記されていないことはご自由にという感じ。
食堂や浴室が北側か南側かということの検討で時間を取られて、エスキースをまとめるのに時間が掛かってチェック時間が十分に取れないのは試験対策としては作戦ミスだと思います。自分でハードルを上げているだけ。食堂や浴室をどちらに向けなければならないかというのは、与えられた内容でも条件でもなかったんだと思います。
試験は、提出した図面で判定されるわけですから、とにかく大きなミスを少なくすることが合格へのより道、オットマチガエマシタm(_ _)m、近道。
ミスといっても
図面であれば、吹抜け部分の梁の見えがかりや断面図の小梁断面表記、梁伏図の部材符号の書き漏れ、
計画の要点等なら、誤字脱字や「てにをは」が少々おかしいくらいは許容されそう。
そこまで細かい採点をする前に、合格案40%というのは決まってしまうんだと思います。

何でもいいから描いてあればとか、とにかく行を埋めるためといって、答えにならないようなことを書くのは意味がないと思うのでやらない方がいい感じ。書いてある内容が適切かどうか以前に常識を疑われそう。却って合格が遠くなるような気がします。

2 件のコメント:

  1. satoさん

    構造文章題に役立ちそうな本を教えて頂き
    有り難うございました(^O^)!

    構造と法規で点を稼ごうと考えているので
    1点でも落としたくなくて(T_T)

    皆さんのやり方を伺いながら
    試行錯誤になると思いますが
    しつこく(笑)問題を解いていこうと思います。。。(^O^)

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    1. こんにちは。
      試験はどこで点を取っても同じ評価(1点)。
      極論ですがヤマカンで当てた1点でも
      黄色本マスターしてる人しか知らないような難問でも1点です。
      出題範囲は読めるので、的確な準備をしましょう。
      (ピパーチックな読み違いもちょっとだけ矯正…^^;)
      一言多いsatoでした。

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